隣席 ー君と一瞬と蟠りー

「それより、テストってまた出席番号順に座席変えるんだよね?」
「そうじゃないの?前回も前々回も一緒だし」
「私の隣湯下だから絶対心波引っ付いてくんじゃん」
「あ、そういえば心波あいつ、やっぱり湯下のこと飽きたらしいよ」
「ええー!?」
驚きのあまり、つい大きな声が出て、動揺する。つい先週までは湯下がねかわいいの〜、湯下ああ見えて紳士じゃない?、湯下って優しいー、なんて萌えていたはずなのに。
しかも優子、やっぱりなんて言うからさ。察知してたのかよ。
驚愕している私を目前に、あのさ、と優子は話しかけてきた。
「心波のことで話があるから、昼休みまたね」
分かった、と了解する前に、彼女の表情を疑った。
頬が凍りついたような無表情だった。
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