隣席 ー君と一瞬と蟠りー

言われた通り、私は昼休みに彼女の席へ向かう。
いつも温厚で名前の通り優しい優子があんな風に言うということは、相当深刻なんだろう。
しかも心波のことで話? 最近優子は心波と距離を置くようにしているように見られたけど、その話だったりするのだろうか?
と、変に予測するのもおかしいか。

「話ってなーに?」
恐る恐る尋ねる。
軽い感じで聞いたら悪かったのかもしれないけれど、訊いてみる。
彼女は読んでいた文庫をぱたんと閉じ、
「正直、心波のことどう思う?」
と言った。
予想は本当に当たるものなんだな、と感じた。
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