隣席 ー君と一瞬と蟠りー

私自身、心波は結構好きではない。だからといって、苦手意識をしている程ではない。
けれど、腹パン事件も、シカト癖も、結構不愉快だと感じていた。それに、シカトだって2週間に一回程度あるが、それには優子だって美玲だって協力していた気がする。
だから私は、
「そんなに好きじゃないよ」
と曖昧な表現を使って思うままに言っておいた。
「優子はどうなの?」
「私は、あいつ無理なんだけど」
「でもさ、いっつもシカトとか協力してなかったっけ?」
そう。優子はたまに心波と共に私をシカトしてきたこともあった。既にその無視は無くなっていてそこまで気にしてはいないが、どういった意図でやっていたのか少し気になったのだ。
「あれは、仕方がなくそうやってるだけだよ。なんも言えなくてごめん」
私は大丈夫だよ、と焦る彼女を許した。
< 162 / 174 >

この作品をシェア

pagetop