隣席 ー君と一瞬と蟠りー
「じゃあさ、花愛、ルーズリーフある?」
「あるけど、なんで?」
「バレないように、これに会話みたいに書いて回すの」
「それ、いいね」
森や湯下も賛成だった。
「じゃあ…」
花愛はシャーペンをカチリと音を立てて芯を出し、迅速で文字を書き殴った。
はい、と言われてその紙を受け取る。
『この辺だと実ヶ原駅周辺とか?』
相変わらず字が綺麗だと思いながら、返事を書く。
『いいねー、だとしたらカラオケとかは?』
このやり取りがあまりにも楽しすぎたのか、焦りすぎて変な丸文字になってしまった。
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