隣席 ー君と一瞬と蟠りー

『水上って頭おかしいよねw』

またか。本当に湯下という奴は私をからかってくる。まあ強ち間違ってはいないけれど、それでもどストレートに言うんだなあ、と呆れた。他の女子には優しく接しているみたいだけど。
ふいに、お前の方がアホだろうが、という言葉が頭の中をよぎった。けれどそれはシャボン玉のように消え、代わりに、知ってますけど何か?、という言葉に入れ替わっていた。
その通りに書いて渡した。だがそれには何も反応は無く、チャットで俗に言う既読スルーをされて、私の手元に戻った。
「なんで何も書かないの?」
何となく聞く。
「いや、別に知ってたし」
奴はニヤついて、そっぽを向いた。そういえば、湯下ってこんなキャラだったか?と疑問に思ったけれど。
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