隣席 ー君と一瞬と蟠りー
新着メールフォルダを開き、田崎結萌、と書かれた送り元のメールを選択する。
「…ひえぇ!?」
私は絶叫した。メールに、

『小田桐小田桐小田桐小田桐小田桐……』

と書かれていたからだ。小田桐、という3文字で成り立つ単語が何個も何個も連なっている。
私は、しょうもないな、と小声で言うのだった。
瞬間、ぷはっ、あははは、と結萌の笑い声が聞こえた。
「ゆーーー…めーーー…よくもやったな…?」
本当は少し嬉しいのだが、私はこういう嬉しい時に限って苛苛している様に言ってしまうのだ。
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