隣席 ー君と一瞬と蟠りー
「__がみ…水上?」
ぼーっとしていた私は、名前を呼ばれて我に返る。湯下だった。
「なんだよ」寝ぼけたように私は言った。
「水上ってさ、小田桐のこと好きなの?」
何度も違うって言ったはずなのに(ここでもう一度言うが本当は違くなく、気になってはいる)、と思った。
「…何度言えばわかるの?」
図星だが呆れたような演技をした。
その後、すんません、と湯下は小声で言った。
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