隣席 ー君と一瞬と蟠りー
「由美、福原のこと好きなの⁉︎」
「あはは、バレちゃった…」
遠くで梨花と由美ちゃんの甲高い声が聞こえてきた。
「えー!本当に⁉︎」心波は二人の輪の中に入っていく。私たちも彼女についていった。
私たちだけでなく、他の女子たちも、梨花達に迫っていく。
由美ちゃんが、福原を好き、か。
同じ時期にそういうふうに恋に落ちる人がいて、少し安心した。私1人だけ、入学してからすぐに恋愛ごっこを楽しんでいると、不安に思っていたからだ。
「由美ちゃんかわいいから、告白すればきっと付き合えるってー」
私は応援するつもりで言った。後から思えば、余計なお世話に聞こえるようだった。冷や汗をかきそうになる。