隣席 ー君と一瞬と蟠りー
校庭では、各種委員の人が運動会の準備に取り掛かっている。それを背にし、荷物を置きに教室に向かう。ドアを開けると、黒板の気合いのメッセージが目に入った。優勝するぞー!、青組fight!、だの、決まり文句ばかりだったが、本当にやる気を感じた。
少ない荷物が入ったリュックを机上に置き、そして、鉢巻を付け、席に座る。辺りを見渡すと、既にたくさんの人が荷物を置いていた。水筒なくなったわーやべー、などと机の上に座って嘆いている男子、絶対勝とうね、と約束している女子、走り回って運動会前なのに足を挫いた調子者。いつも騒がしいけれど、この日は更に増して煩くなっている。それはきっと、運動会の愉しみと呼ばれるものであろう。