隣席 ー君と一瞬と蟠りー
「席ついてー!今日はみんな、そろってるね?」
鈴松先生の高めの声で、皆が気づき自席に着いていく。もうそんな時間か、と思い、私も流れに乗って椅子に座った。
「優勝、しようね。一年一組の、最高の思い出を、作ろう。」
いつもの朝学活であれば寝るのが普通だった。だが辺りは瞳を輝かしている。隣の席の人と話している人もいる。
気づかれないように、そっと、小田桐の方を見る。彼は前の席の男子と筆箱の中身で遊んでいる。