隣席 ー君と一瞬と蟠りー
「小田桐…!」
思わず声が出た。彼が走っているところは格好良い。彼はサッカー部で、走っているのをよく窓から見ている。
「柚奈」
前に座っていた、結萌が振り返ってきた。
言いたいことの予測ができた。
「ふふ、分かってるって、カッコよかったよ」
こんなことを言う自分が照れ臭い。まだ自分の番になってないのにもかかわらず、熱気が顔を通り過ぎた。
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