クリスマスが終わっても
「菜々美、ご飯食べれてる?」

結花の声で、頭の中で再生していたあの日見た映像が途切れる。

「あんまり食欲なくて」

またヘラッと笑ってみせたのだが、結花は一層心配そうな顔になってしまった。

「ねえ、今日晩ご飯一緒に食べようよ。それ、急ぎの仕事じゃないでしょ?」

結花が私の机の上に積まれた書類を指さしながら、立ち上がる。
確かに急ぎの仕事ではないけど。でも、何かしておかないと泣きそうになる。
決まった書式に書類に記入してある数値を入力していくだけだから、こうした方が見やすいかな?って考えないでいいし・・・。
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