クリスマスが終わっても
「菜々美、これ・・・」

ひろ君が宅配業者さんから受け取った小さな箱を持って、リビングへと戻ってきた。

うん、やっぱり私がお願いした物だった。

「私からも、サプライズプレゼントです」

ひろ君がさっきいた位置にもう一度腰を下ろしたのを確認してから、机の上に置いたままだったカッターを手渡す。

気に入ってもらえると、いいな。

「ありがとう。開けるね」

ひろ君は無駄のない動きでカッターでガムテープに切り込みを入れ、箱を開く。
中に入っていたもう一つの箱を取り出し、開けた。

「・・・時計?」

この間見つけた、ひろ君のつけているところが見てみたいと思った時計。
ひろ君はそっと取り出して、腕にはめて見せてくれた。
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