クリスマスが終わっても
菜々美の顔から、さっきまでの戸惑いの表情が消えた。
だけど、その後の表情がない。

失敗、した?

恐る恐る、無表情で固まる菜々美に声をかける。

「菜々美・・・?」

俺の声に弾かれるように顔をあげた菜々美の目に、みるみる涙がたまっていく。

「ひっ、ひろ君〜!」

あっという間にあふれた涙と一緒に、菜々美が飛びついてきた。

至近距離からのなかなかの勢いだったので、受け止めきれずにしりもちをついてしまった。

すげーダサい、俺。

俺にしがみついてワンワン泣く菜々美を抱きしめながら、とりあえず失敗ではなさそうな事にホッとする。
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