クリスマスが終わっても
よかった、断られなくて・・・。

ホッとしたら力が抜けて、大きく息をはいてしまった。
それをため息と勘違いしたらしい菜々美が、俺から飛び退いた。

「わっ、ごめん! 重かったよね」

「いや、違う。力が抜けただけ」

否定したけど、信じてなさそうな顔をする菜々美。

「断られたらどうしようって、緊張してたから」

「ひろ君も緊張するんだ・・・」

菜々美が意外そうな顔をした。
菜々美はたまに、俺の事スーパーマンだと思ってるんじゃないかと思うフシがある。

「そりゃするよ」

立ち上がりながら、手を引いて菜々美も一緒に起こす。

「またひとつ、ひろ君の事知れた」

なぜか嬉しそうにしている菜々美。
その手に大事そうに持っている箱を取って、指輪を菜々美の左薬指にはめた。
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