クリスマスが終わっても
白石さんは、ニコッと花が咲いたような笑顔を浮かべてから、割り箸を割り出した。

な、なんてマイペースな人なんだ・・・。

見ると、私の正面に座った結花も唖然とした顔をしている。

わかる! わかるよ、結花・・・!

「いやー、よかったねぇ。これで、佐藤の片想いも落ち着くかなー」

女優ようなその容姿に似合わない勢いで、うどんをズルズルすする白石さん。

な、なんかすごいな、この人・・・。

「佐藤さんの片想い?」

結花が不思議そうに白石さんに尋ねる。
白石さんは口の中いっぱいに入っていたうどんを飲み込んでから、笑いながら答えた。

「そう、片想い」
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