私の名前 ~After~


「…私、お風呂入ってくるね」

連夜の返事も聞かずに浴室へと向かった。

ジャグジーバスにつかりながらも、ソワソワと落ち着かない。



あー、どうしよう。

…本当に?

ついに…連夜と…。


鳴りやまない鼓動のせいなのか、ただ単にお湯の温度が熱いからなのか…

上せそうになった私は、浴室から出た。

バスローブが置いてあり、着心地がよさそうだったので着てみた。

フワフワで肌触りがいい。


「…連夜、お風呂ありがとう。

次、どうぞ。」

テレビを見ていたらしい連夜に声をかけた。


「あぁ、入ってくる。」

入れ替わりで浴室に入っていった。


連夜が座っていたソファに座り、付いていたテレビをなんとなく眺める。


正直言って、テレビなんて耳に入って来なくて…。

緊張と不安でおかしくなりそうだ。


無心になることでなんとか心を保っているようなものだ。

「…鈴音?」

その声でハッとする。


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