私の名前 ~After~



「…鈴音…、俺の目を見て。」

色気を含んだ声で言われる。

ゆっくりと視線を上げると、少し色素が薄い連夜と目が合った。


「鈴音…好きだよ。…愛してる」

「っ…」

それだけ言うと私の膝下に手を入れ、横抱きにした。

…俗にいう”お姫様抱っこ”ってやつだ。

「…重くない?」

やっと声が出たと思ったら、そんな言葉で…。

連夜もそう思ったのだろう。

クスクスと笑った。

「全然重くないよ。

軽すぎて心配なくらい。」


「…。」

それ以上の言葉が出なくて、私は静かに連夜の首に腕を回した。


< 135 / 240 >

この作品をシェア

pagetop