私の名前 ~After~
着いたのは連夜のアパートだった。
連夜はアパートに着くなり、再び私を抱きしめた。
何が何だか分からないが、私も連夜を抱きしめ返す。
数分…あるいは数十分たった時、連夜が話し出した。
「……もしかして鈴音、不安だった?」
「っ…」
…なんでわかっちゃったの?
「…やっぱりそうなんだ…。」
そう言い、さらに強く私を抱きしめた。
「そういうことは俺に直接言ってよ…。
紗奈と旅行に行くのもいいけど…ちゃんと不安なことは言って欲しい。
俺の知らない所で不安にならないで。」
…連夜に私の気持ちはお見通しのようだ。
土屋さんに不安にはなったよ?でもね…
「連夜」
「…ん?」
「…私、連夜のこと信じてるよ。
確かに不安にはなったけど、連夜が私を裏切るわけないもん。
仕事とプライベートをきちんと分けてて、カッコいいと思ってるよ。
もちろん、仕事を頑張っているところも。
だから、私のことは気にせずに仕事して欲しいな。」
私の本心からの言葉だった。