私の名前 ~After~


連れてこられたのは、あまり使われていない資料室だった。

「…あの、何か…?」

「あなた辻部長とつり合ってると本当に思ってるの?」

…思った通りだった。

つり合っているかどうか何て分からない。
でも、連夜は私を選んでくれたから…私は連夜と一緒にいたい。

「…つり合っているかは知りませんが…。

連夜は私を選んでくれました。だから、私は連夜を信じて一緒にいるだけです。」

…何を言われるのかな?

「…さすが辻部長の選んだ人ね。
ちゃんと自分がある。

…私ね、この会社に入った時から辻部長を好きになったの、まぁ一目惚れってやつね。

でも、全然振り向いてくれなかった。
当然よね、何年も好きな彼女がいたんだもの。

…意地悪してごめんなさい。」

…土屋さん。
きっと本気で連夜のことが好きだったんだ。


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