雪の光


「……私、最後は私だけで彗といたかったの。

だからあんな馬鹿な真似をした。

……ごめんなさい!」


まだ冷たい地面に文字のごとく額を擦り付ける。


「そんな自己満足みたいな謝罪、わたしは受け入れたくない」


「……分かってる。

でも、お願い。ごめんなさい」


「……あんたのこと、大っ嫌い」


涙なんて一滴も出ない。


私は今さら、今になって後悔している。


あんなこと、するんじゃなかった。


「……私だって、エゴイズムってことぐらい分かっていた。

でも、彗とどうしても一緒にいたかったの。

今は本当に後悔している。

なんてことをしていたんだろうって。

あの時の私、ぶん殴ってやりたいくらい」


「……はっ、何それ。うける。

馬鹿じゃないの?

過去に戻ってぶん殴れるなら誰も後悔なんてしないじゃない!

毎日綺麗さっぱりで過ごせるじゃない!

この1週間、わたしがどんな気持ちで過ごしてきたか分からないでしょ!」



< 127 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop