雪の光
*虹の空
私は、とにかく勉強した。
ご飯を食べている時も、通学時間も、教室移動の時も、勉強していない時間が寝ている時以外無いくらいに。
部活だって続けた。
現実から逃げたいなんて理由じゃない。
勉強しようと思ったから、勉強した。
その甲斐あってか、私は目指していた大学に合格した。
パソコンで合否を確認した時は、言葉が出ないほど安心した。
もう終わった。
そこで初めて彗のことを記憶の底から引っ張り出した。
お墓参りに行きたいけれど、場所が分からない。
茜ちゃんが今、どう思っているかも分からない。
3月とはいえ、まだ寒いからマフラーとコートを身につけて家を出る。
外を歩くことは久しぶりだ。
この1年くらいはほとんど単語帳を見たり、世界史の暗記をしながらだった。
息をすると、もう白くはなかった。
道端を見れば、たんぽぽも綿毛も名前を知らない花も咲いている。