雪の光
インターホンを押す時は少し緊張した。
しばらく待っても出てこないから出直そうかと思った時、ドアが開いた。
一年ぶりに見る茜ちゃんは髪の毛が伸びて大人びていた。
「……上がれば?」
「……え?」
「言ってんじゃん、上がればって」
「あ、ありがとう……」
テレビの音が聞こえてくる。
お母さんがいた。
何もしないのは申し訳ない気がして、テレビに笑っている後ろ姿に会釈をする。
部屋に入ると、少し無言になった。
「……あの、差し入れ持ってきたんだけど……」
「……その辺に置いといて」
「うん」
会話終了。
何か、何か話さなきゃ。
「一年間、来られなくてごめんなさい。
私、受験勉強してて、そんなことしてる場合」
「誰も来いなんて言ってないから」
「……そう、だったね」
「何しに来たの?」
ズバっと切り込まれて緊張する。
でも。
「彗のお墓参り、行きたいんだ。
だから、場所を教えて」