雪の光
頭の上から笑いが降ってきた。
「はっ、あんた何言ってんの。
言ったよね、絶対教えないって。
相当しぶといね」
一年前の私なら、ここで引き下がっていた。
粘るなんて、みっともないと。
でも、変わらないと。
「お願い!教えて。
私達、いつまでもこのままじゃ彗が死んだことに縛られ続けるんだよ。
もう、大丈夫だからって言いたいの」
「なんなの、彗くんが死んだ事実につけ込んで」
「そう思われても仕方ないと思う。
でも、私は絶対にそう思ってない」
「うっさいなあ!
じゃあ証拠あるの!」
どんどん声が大きくなっていく。
お母さんには気付かれたくない。
「ないよ、そんなの!
……でも。茜ちゃんは」
「気安く名前呼ばないで!」
「……ごめん」
「やっぱりあんたは性格悪い。
なのに、なんで彗くんはあんたを……」
みるみるうちに茜ちゃんの目に涙が溜まっていく。