雪の光
「……アミ」
何とかそれだけ言うと、さらに言葉を投げかけられた。
「部活、何の連絡もなかったけど、どうしたの?」
「……それは、」
「行くぞ」
「え?」
反応した時はもう彗に手を引かれていた。
すごい勢いで走っている。
何とかついて行っているけれど、私、一応病人なんだけど。
「待って……!」
後ろをちらっと見ると、アミ達が呆気に取られて見ている。
そして彗は止まってくれない。
校門を出ても、まだ走り続ける。
どこまで走るんだ!
「速い……!待って!」
「もっと走れんだろ」
「無理……!」
なんで走るのか分からない。
とにかく、私は彗に置いていかれまいと必死で走り続けた。
学校と家のちょうど中間にある大通りでようやく彗は止まった。
「はぁ、はぁ……
……なんで、走ったの……」
「お前、逃げないんだもん。
そんなんだからいつまでもあんなふうに言われるんだろ」