雪の光


授業が終わって携帯を見ると、彗からメッセージが届いていた。


『今日、会わない?』


……会いたい。


今日の私は朝からおかしい。


そして彗もおかしい。


ふたりしてどうしたんだってくらいに変だ。


『いいよ、今授業が終わった』


送ると少しして返ってきた。


『歩道橋にいる』


心の中で分かったと言って歩き出す。


しばらく歩くと歩道橋が見えてきて、登りきったところで彗と会った。


「ごめん、お待たせ」


「クリスマスだから、イルミネーションを見たい」


切れ味のいい包丁で野菜を切るようにスパッと言い出す。


びっくりして彗を見る。


「……なんだよ」


「……イルミネーションとか、見るイメージないから意外で驚いただけ」


「……行くか」


「うん」


歩いていると、雪が降り出した。


あまり雪が降ることはないから、今年はいつもより寒いのかもしれない。


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