雪の光
言いたいことはあるのに、声が出ない。
だから、誰も私のことが見えていないように話は進んでいく。
誰も私のことを気にしない。
独り固まる私とアミ達の間には見えない、そして決して割ることの出来ないガラスがたてられているみたいだ。
音が遠くなっていく。
だけど、パニック障害のように呼吸が苦しくなったり落ち着きが無くなる訳では無いから、私は無感情の姿でここに佇んでいるように人には見えるのかもしれない。
そう思うと、私は何も出ない自分が嫌になる。
感情の一つもまともに出すことが出来ない、他人を恐れている偏屈な奴だと自分でも分かっている。
結局、私は馬鹿みたいに話し合いの間、ずっと黙って座っているだけだった。
これなら家に帰った方がましだ。
コートまで行く時も他人の顔色をうかがうかのようにみっともないくらいに一番後ろからくっついて行っている。
これなら、1人でさっさと移動してしまう方がよっぽどいい。