雪の光


「なんでうちらがここに連れてきたか分かる?」


「なんで、屋上に連れられてきたかってこと……?」


「そういうこと」


空を見ると、快晴だった。


ピクニックでもするような天気だけれど、アイリ達はそれどころではなさそうだ。


「……私の態度が悪かったから?」


「違うし、そんなのどうでもいい。

ね、千夏」


「うん」


「まだ分からない?」


その言葉が引き金だったらしく、しくしくと泣き出した。


「……酷いよ、侑里……。

あたしの気持ち、分かっていたんでしょう……?

分かっていて、……それでっ……!」


「あー、千夏が泣いちゃった」


「可哀想だと思わないの?」


「このタオルで拭きな」


「大丈夫だよ、大丈夫」


……どういうこと?


なんで私が責められているの?


この中では、私はどう見てもいちばん悪いことになっている。


私、何かしたの……?


< 79 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop