雪の光
聞きたい。
どうしてこんな状況なのか、最初から。
「……っ……?」
声が出ない。
ここには部活のメンバーは誰もいない。
なのに、私は話すことが出来ない。
「さっさと自分の罪認めなよー?」
「最低だよね、こいつ。
まじであざとすぎる」
「もしかして、自分が何したか分かってない?」
「それって人としてありえないんですけど」
「……侑里、その程度だったんだね……」
「あーほら、また泣いちゃったよ」
その時、アイリが屋上の隅の方へ向かった。
「何するの?」
「面白いこと」
まるで、欲しいおもちゃを手に入れて、すぐに壊してしまうような無邪気な子供の笑顔だった。
少しすると、アイリがバケツを持っていた。
「アイリ、重いでしょ。
あとはあたし達が持っていくよ」
「ありがと、お願い」
運ばれてきたバケツの中を見ると、大量の水が入っていた。
「……何、するの……?」
アイリが私の前に立つ。
その姿は、あまりに堂々としていて、私が悪いようにすら思える。