雪の光
そのまま仰向けになって空を眺めていると、ますます立ち上がる気力をなくした。
自由気ままに鳥は飛んでいる。
……じゃあ私は?
私は、学校なんていうところに繋がれたまま、どこにも行けない。
チャイムが鳴っても気にならなかった。
私が授業に出なかったくらいで心配する人なんてもう誰もいないから。
皆勤だったけれど、それすらどうでもいい。
ふと、あることを思いついた。
立ち上がって背中のホコリを軽く払ってから蛇口に向かう。
それから、ひねって水を出す。
糸みたいな細さではなく、最大の水量にして、蛇口の向きを下から上に変える。
噴水のように高く上がり、空まで届いてしまいそうだ。
しばらくすると、私に水がぱらぱらと降ってきた。
水滴は、空中にある時は絵に描かれるような形をしているけれど、下に落ちたり私に当たるものは死んだ蛙のように呆気なく、水滴としての役目を終える。