秘密と嘘の御伽噺
独りになってやっと気づいた
夜になるたびにどんどんと自分が沈んでいくことに
眠るたびに2人の幸せそうな顔が浮かび上がることに
頼る人がほしかった
正直誰でもよかった
止まることのない薬
どれだけ摂取しても精神が安定することも
眠気が来ることもなかった。
最初は嬉しかった明くんと自分が
同じ学校に居るということが
1年経てばそんな気持ちもどこかへ行き
苦しみへと変わっていった
薬指に光る指輪
私を現実に突き返すにはもってこいの物だった
この人はもう誰かの物で
私が手を伸ばしていいような人ではない
そう指輪が物語っていた