モモちゃんに溺れる
彼女から漂うアルコールに、俺まで酔ってきたのかな。
そんな酔いやすくないけど。

髪をさわったら、彼女自身にも触れたくなってきた。

繰り返すけど、俺は惚れっぽくない。

でも、なんだか無償に彼女に触れてみたい。

俺が髪を梳いていても、相変わらず泣いている彼女。

なんで泣いてるんだよ。

何度もこみ上げる疑問を、彼女にぶつけていいものなのか。

「ねえ、名前は?」

そういえば聞いてない。俺も、名乗ってない。

「俺は、蓮(レン)。」

「蓮くん?」

「あーまあ。蓮は、苗字で、名前は壮太朗(ソウタロウ)。」

「変わってるね。」

泣いてるのに、ちらっと見えたクスリとした笑顔に、また心臓がきしむ。

俺、惚れっぽいのかな?
いや、そんなことない。

「私は、荻原 百愛(おぎはら ももあ)。」




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