モモちゃんに溺れる
「そういえば、お互い名前以外なにも知らないね。」

モモちゃんが手を止めて思い出したかのようにこちらを見る。

「あー言われてみれば。」

「ソウは大学生でしょ?しかもK大の。」

「なんで知ってんの?」

「学園祭のパンフレットもらったの。

昨年のミスターK大って名前と顔載ってたよ。」

うそ・・・。知らなかった。

勝手に人を使うなよ。

「じゃあ俺のこと知ってたの?」

「ううん。最初は気づかなかった。
でも、どっかで見たことあるなーって思ってて、さっき思い出した。
名前までは憶えてなかったけどね。」

「ふーん。」

「興味なさそ~。」

おかしそうに笑う。

だって、他になんて言えばいいんだよ。

「でも、すごいよね!ミスターってことは、K大で一番かっこいいんじゃんね。」

「それは知らんけど。」

「え?自分で立候補したのに?」

は!?

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