モモちゃんに溺れる
「ちがうって。うちの大学、他薦もおっけーだから。
あれは、勝手に推薦されてて。

俺、去年の学祭行ってないし。
あとからそんなことになってたって知った。」

まじでビビった。

学祭の次の日普通に授業行ったら、教室入った瞬間めっちゃ見られて

なんかその日は告白とかめっちゃされて。

原因全然わかんなくて、昼休みに友達にその事実を聞かされて。

俺の写真が大学の掲示板に張ってあるんだから。
{今年度ミスターK大 蓮壮太郎くん}という文字とともに。

なんの嫌がらせかと思った。

俺にとってはただの悪夢でしかなかったけど、
モモちゃんにこうして褒めてもらえたから、少しましになったかな。

いや、やっぱりあの日のことを思い出すと疲れるな。

「そうなの?でもすごいじゃん。

私、そんなすごい人を出会った初日で食っちゃったんだね。

なんか、同じ大学の女子に知られたら殺されそう。」

「どっちかというと、食ったの俺だし大丈夫じゃない?」

「あはは~そうかな?」

「てか、俺のことはもういいじゃん。

モモちゃんの言う通り、俺はK大で情報工学専攻してるただの学生です。三年で、今年で21。
ご存知の通りミスターとかなっちゃってるけど、俺は興味ないし、関係ないから。

昨日は喫茶店のバイトの帰りで、モモちゃんを玄関先で拾いました。

はい、終わり。次はそっちの番でしょ。」







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