モモちゃんに溺れる
「拾ったなんて、失礼ね。

わたしはただ、自分の家の前で寝ちゃっただけなのに。
まあ、ちょっと間違えて隣の家だったんだけど。」

モモちゃんはまたぷくっと頬を膨らませる。

「え、てことはお隣さんなの?」

「うん。

てか、情報工学とかバリバリの理系って感じだね。全然わからなそう。」

「まあ、理系だけど。

それは置いといて、俺じゃなくてモモちゃんのこと教えてよ。」

「んー。いいけど、びっくりしないでね?」

びっくり?どういう意味だ?

「たぶん、ソウは私のこと同じくらいか、もしかしたら年下とか思っちゃってるかもだけど。」

え、ちがうの?

「モモは、今年で28歳になりますから。」

「え!?」

「ほらー!もう、びっくりしないでって言ったのに。」

うそ・・・。まじで?

俺は思わず手を広げて一つ一つ指を折りたたむ。

「差を数えるな~!

君より、7つも年上のお姉さんです。」

「まじで?」

「こんなことで嘘つかないもん。

それに嘘嫌いだから。つくのも、つかれるのも。」

そうなんだ・・・

マジでびっくりした。

モモちゃんのいう通り、同じくらいか下手したら年下と思ってたから。

まさか年上なんて。しかも7つも。


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