モモちゃんに溺れる
昨日のように、彼女はまた泣いていた。

俺もそれを見ていた。
昨日と一緒。

かける言葉がなくて

俺がなにを言っても、きっと彼女の涙をとめることはできない。

しばらく泣き続けてから、「ごめん。」と小さくつぶやいた。

「なにが?」

「全部。

ソウの玄関の前で酔いつぶれちゃたこと
迷惑かけたこと
わけわからず泣き続けたこと

あと、昨日、酔いに任せてっていうか。
いや別にそういうわけでもないんだけど、うん・・・ごめんなさい。」

酔いに任せて、か。

モモちゃんはそうなるのかな。でも、俺は。

「確かに、その通りかも。
最後の一つ以外は。」

真っ赤な目のまま、モモちゃんが俺の方を見る。



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