モモちゃんに溺れる
「先生のことは、もう終わったこと。

仕方ないじゃん。もともと、始まる可能性もなかったし。」

切なそうに、涙をこらえる姿はやっぱり見ていて辛い。

けど、彼女の言葉に俺の期待は膨らむ。

「モモちゃん、俺!」

「ん?」

期待が膨らむと、勢いがでる。

俺は、言葉にしようかと思ったけど、最後の一歩が踏み出せなかった。

「いや、なんでも。

それで?じゃあ、どうするの?」

「うん。」

モモちゃんは、チャーハンを食べ終わったらしく、
済んだ皿に、水が少しだけ残っているコップを重ねて立ち上がった。

「洗い物くらい、するね。」

肝心なことは聞けていないのに、彼女はこの話題を終わらせる気なんだろうか。

「いいから。置いてて。」

「そういうわけにいかないよ。スポンジと洗剤使わせてもらうね。」

「いや、それよりさ!」


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