モモちゃんに溺れる
「は・・・?」

え、どういうこと。

俺は、チャーハンを食べていた手をとめて呆然と彼女を見る。

微笑を携えたまま正面を向いてしまい、顔が見えなくなる。

「だから、本当にごめんね。

私、悪い大人だね。」

皿を拭き終えて俺の前へ、さっき座っていたところに座る。

「ちょっとわからないんだけど、好きな人は結婚してる人だったんだよね?」

「そうだよ。私が好きなのは先生。」

「なのに結婚するって、どういうこと?」

モモちゃんはまるで泣いているように笑う。

「好きじゃない他の人と結婚するってことかな。」

「なんで?」

「んー、理由はいろいろあるけどそれが一番丸く収まるから。」

全然わからない。

なにより、三か月後に結婚を控えた人の顔じゃないだろ、それ。

納得いかない。

全然わかんないよ。



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