モモちゃんに溺れる
バイトから帰ってきた俺は、その光景に絶句した。

え、人・・・?

髪の長い女の人が、俺の玄関の扉にもたれて眠っている。

だれ?

不用心にカバンなんかも隣に無造作に置いて、
盗られても知らないぞ。

ていうか、人ん家の前でなにやってんの。

迷惑な女。

「ちょっと、大丈夫ですか?」

こんなところで寝られてたら、家入れないし。
とりあえず起こしてさっさとどいてもらおう。

肩をつかんで揺さぶっても、少し声を漏らす程度で起きる気配がない。

大丈夫かよ、襲われるぞ。

彼女に近づいた時に漂ってきたアルコールの香り。

酔いつぶれてこんなところで寝るなんて、危機意識ないのかよ。


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