モモちゃんに溺れる
しばらく俺たちはそのままで・・・

行為自体はしないが、お互いのぬくもりを分け合っていた。

10時を回ったころ。

「そういえば、今日仕事は?」

「休みー。ソウこそ講義ないの?」

「昼からある。そろそろシャワー浴びる。」

「そっか。じゃあ、帰ろうかな。」

「うん。」

モモちゃんは俺が見ている前で恥ずかし気もなく元の服に着替える。

その時に見えた、胸元のマーキング。

さっき俺がつけたやつ。

「モモちゃん、スマホ貸して。」

俺はちょっとの勇気をしぼった。

ここで断られたら、本当に彼女とはこれで終わり。

明日から、なにもなかったかのように顔も合わせなくなる。

今までだって、隣同士なのに見たことなかったんだから。

軽く生唾を飲んだ。

けど、彼女はなんのためらいもなくスマホを俺に渡してくる。

不思議と驚きはしなかった。

なんとなく、そうしてくると思ってたから。
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