モモちゃんに溺れる
大学の講義を終えて、バイト先である喫茶店へ。

いつもの生活。

「蓮さ~ん、おはようございます。」

着替えてフロアに出るなり、後輩の藤井 由香につかまった。

彼女は同じ大学の一個下。

働き出してからずっとなにかにつけ距離が近い。俺がミスターコンで優勝してからはなおさら。

「どうも。」

同じバイト先で揉めるのも店に迷惑だし、できるだけ流すようにしてるけど最近はそれさえも難しい。

「今日も、制服似合いすぎてまぶしい!由香、失神しそう~。」

「どうも。」

「もう~相変わらずクールなんですから!」

いい加減に折れないのかな、こんなに露骨にしてるのに。

俺は特になにも返さずキッチンの方へ顔をだす。

「店長、おはようございます。」

「あ、蓮くん。おはよう。今日、キッチンの予定だったんだけど、フロアでもいいかな?
藤井さんだけだと、まだ心配だから。」

はあ・・・まじかよ。

内心そう思いつつも愛想笑いで承諾する。

外面はわりといい方。


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