モモちゃんに溺れる
バイトが終わって21時すぎ。

暗いし、方向も同じだし藤井さんと並んで歩く。

「蓮さんって、なんで彼女つくらないんですか?」

女の子らしく首をかしげる。

この子はきっと、どういうしぐさが男は好きで、

自分がどうすれば可愛く見えるのかわかってるんだろうな。

現に、顔は可愛いし今のしぐさも普通の男なら「可愛いな。」って感じてでれっとするんだろ。

田口とか、まさに騙されそう。

「別に。つくらないわけじゃないけど。」

現に今朝告ろうとしたわけだし。

「えー絶対うそ~!そのルックスでモテないわけないじゃん。」

誰もモテないとは言ってない。俺はモテる。

「というより、お眼鏡にかなう人がいないのか~。」

一人でしゃべって疲れないのかな。

「蓮さんって、どういう人がタイプなんですか?」

モモちゃん。

即答してやろうかと思ったけど、そんなことしたらもっとめんどくさくなるからしない。

「とくにない。」

「えーなにそれ!女に興味ないとか?もしかして、そっちとか!?」

なわけないだろ。

意図せずため息がでてしまった。



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