モモちゃんに溺れる
本当にやめてくれ、という俺の言葉は彼女の声と行動によって遮られた。

うそだろ・・・

「やっぱりソウだ!朝ぶり!」

そう言って俺の腕により一層つよく絡みつく。

ふふっと笑うその表情と、ふわっと香る甘い香り

腕から伝わる体温と、しなやかな白い肌。

俺をソウと呼ぶその声。

一瞬にして俺を釘付けにする女なんて、一人だけしかいない。

「・・・モモ、ちゃん。」

なんで。なんでこんなところにいるの。

ずっと頭のなかを支配していた人物がいきなり目の前に現れて軽くテンパる。

「蓮さん・・・?その人、だれですか?」

あ、そっか。藤井さんいたんだっけ。

モモちゃんの登場に、まるでこの場に俺と彼女二人だけのような気分になっていた。

誰って・・・なんて答えればいいんだ?

彼女じゃないし、セフレです、とも言えないし。

「あれ?可愛い女子大生さん!

やっぱ若いな~!うらやましい!」

にっこり笑って「はじめまして。」とあいさつするモモちゃん。

可愛い・・・・

若いって、自分だって見た目だけなら負けてないのに。



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