モモちゃんに溺れる
___

「おいで、ソウ。」

どちらから言うわけでもないけど、

自然とモモちゃんの部屋で俺たちはベッドの上にいた。

すでに何も身に着けていない彼女が白い肌をさらして、俺に向かって両手を伸ばす。

おいでって言われたのが、なんだか子ども扱いされてるみたいで少しムッとする。

でもそれと同時に、子供扱いでもいいから、彼女に受け入れられていることがうれしくて

本能のままに彼女をむさぼる。

ああ・・・愛しい。

「モモちゃん・・・。」

何度も名を呼んで、今俺の腕のなかにいるのが彼女なのだと

今この瞬間だけは、彼女は俺のものなんだと。

「あ・・・ソウ・・・・。」

どんどん乱れていく呼吸と肌。

そのすべてが美しい。

やばい・・・とまんねえ。

好き・・・モモちゃん。そう言いたいけど、言っちゃだめだ。

もどかしさもまた、スパイス。

君に溺れるこの瞬間では、どんなものだって俺を加速させるだけ。

「モモ・・・・。」

初めて呼び捨てにしたら、彼女は少し頬を染めて俺にキスをした。


< 63 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop