モモちゃんに溺れる
「ソウ、どうしたの?」

俺の顔を浸かんで真正面から問いかける。

「どうもしてないよ。忘れて。」

さっきのことは。

あんな言葉、困らせるだけだよね。

「うん。」

こういうときだけは、素直に頷くんだね。

理由を聞いてこないんだね。

ずるい大人なんだよね、モモちゃんも。

でもそれでいい。それがいい。

「この邪魔な布、とろうよ。」

モモちゃんの肌を覆っているバスタオルに手をかける。

けど、それをモモちゃんが制した。

「だめ。ソウもシャワー浴びておいでよ。もうエッチはおしまい。

モモは、明日早いんです。」

「ちぇ。」

普段、こんなセリフ吐くキャラじゃないってのに、自然とでた。

なんだ今の。きもちわり。

俺は軽く自己嫌悪になりながらも言われた通りシャワー室へ向かった。


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