モモちゃんに溺れる
モモちゃんと出会って半月。

あれから特に約束もしてないけど、モモちゃんと体を重ねることが幾度かあって

結局この関係がなんなのかはっきりしない日々を送っていた。

めんどくさいから、お互いの合いかぎを渡しあって、まるで恋人だけどちがう。

世間から見たら立派なセフレの出来上がりだ。

でも俺はまだそれを認めたがらない。

今日、久しぶりの俺はお気に入りの場所に来ていた。

モモちゃんと出会うまでは、週2では絶対来てたけど、最近は減っていたな。

「蓮じゃん!久しぶり。」

「大智さん!」

俺の趣味、ダーツ。

大学に上がって間もない頃。友達に誘われてて来たここで初めてダーツをしてハマって、それから時間があればここに来て投げていた。

酒が飲めるようになったくらいに偶然知り合ったこの大智さんは、年齢も職業も苗字すら知らないけど勝手に兄貴のように思っている。

「あんま来なくなったから、飽きたか引っ越したか、それか女でも作ったかだってマスターと話してたんだよ。」

「はは、なんすかそれ。」

あながち間違ってないのが怖い。

「図星だろ?また来たってことは、前二つは確率低いな。女か?」

当てられて苦笑い。

大智さんには相談してもいいかな。


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