モモちゃんに溺れる
俺が作ったビーフシチューが3人分のったテーブルを囲み

シンと静まりかえった部屋。

「なにこれ。」

「シチュー。」

「見ればわかる!」

素直に答えたのにまた睨まれる。

「じゃなくて、なんでお姉ちゃんの部屋で蓮 壮太朗がビーフシチュー作ってんの?」

「俺のこと知ってるの?」

確か、俺とこの子はタメだから敬語はいらないはず。

「知ってる。友達が騒いでるから、あんたのこと。」

「あー。」

「ソウはミスターK大だからね!」

モモちゃんは呑気に笑ってシチューを食べ始めた。

「君も、ミスなんでしょ?俺の友達が言ってた。」

「そうなのゆきちゃん!!なんでお姉ちゃんに教えてくれなかったの~?」

びっくりしたように手をとめ、また抱き着く。

シスコンかよ。

「うるさいし暑い!だから言いたくなかったの。

てか、私が知らないところで勝手に決められた称号に何の意味があるわけ?」

「それは同感だな。」

「二人とも冷めてるね~。

でもすごい!こんな狭い部屋にK大ミス、ミスターが揃ってるなんて!」

相変わらず呑気だ。


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