モモちゃんに溺れる
「無理だよ。」

「は?」

俺は勝手にまた口を出してしまった。

「俺の部屋は隣だ。

いくらモモちゃんが避けても、俺はまたモモちゃんに会いに行くから。」

「ソウ・・・。」

「なに言ってるのあなた。ストーカーで警察に突き出すよ。」

「千愛やめて!」

めずらしくモモちゃんが鋭く言い放った。

「お姉ちゃんでも・・・。」

「わかってる。ソウとは、いつかはさよならする。」

・・・っ。

わかってても、モモちゃんから直接言われると、泣きそうだ。

「私が瑠依くんと結婚するのは、もう決まったことだから。」

結婚相手が、瑠依、なのか・・・。

・・・うらやましい。

モモちゃんを手に入れられる瑠依が。

会ったこともない相手が。

どんな奴なんだ?

会ってみたい・・・、でも。

会ったらもう終わりのような気もして。

だって、本当に瑠依がモモちゃんの結婚相手として現れたら

実在して目の前に来たら、それはもう、認めるしかなくなる。



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