ひとり【短編】
終わりの始まり
些細なこと
「いや、私ずっと待ってたのになんで順番抜かしするの?ちょっと待てばいい話じゃん。」
それは、ついつい溢してしまった言葉だった。
ただ、私がずっと見たかったものを、やっと見れるようになったのに、友達が横から奪い取ったから言わずにはいられなかったのだ。
「は?別にいいじゃん。」
私の言ったことが理解できないとでも言うように首をかしげる二人の友達。少しイラついているような言い方だ。だが、怒っているのは私の方。順番抜かしする方がわるい。
「意味わかんね、もう行こ。」
そう言って私から離れて行く友達を見る。
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