それでももう、貴方以外考えられない。
「お邪魔しまーす…。」


部屋の中は静まり返っている。


本当にいるのかな、先生。


鍵開けたまま学校に行ったとか…ないよね?


寝室のドアをあけると、そこには熟睡してる先生。


時間やばくないか?


「先生、起きて下さい!」


「………。」


「せんせーーー!起きて下さーい!」


「……んー。」


ゆすってみるが、起きる気配が全くない。


私は立ち上がって、カーテンを全開にした。


「んっ…まぶしー…」


先生を見ると、寝転がったまま腕で目を覆っていた。


「先生、はやく起きないと遅刻しますよ?」


「んー…?大丈夫だって…」


…絶対寝ぼけてる。


「もう、知りませんよー?今日の弁当、ここに置いておきますね。」


「…んぁー。……え?春野?」


そんな声を背中越しに聞きながら、私は先生の部屋を後にした。
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